超音波検査について
超音波検査は、高周波の超音波(人間の耳には聞こえない音)を使って病気の有無を調べる検査です。検査する体の部分にゼリーを塗り、プローベという器具を軽くあてます。調べたいところをリアルタイムで、モニターを見ながら観察していくので、気になるところを念入りに診ることができ、1回の検査で非常に多くの情報を得ることができます。超音波は無害ですから繰り返し検査しても、被曝などの危険がありません。超音波検査は痛くないし、使用するゼリーも無害で、簡単に拭き取れるので安心です。
超音波検査は、短時間(10~20分)で効率的に病気の状態を知ることができ、健康診断などのスクリーニング検査から、より精密な検査にも対応できるため、クリニックで皆さんに負担なく行う検査として極めて有用です。現在、2台体制でなるべくお待たせすることなく検査ができるようにしています。
原クリニックの超音波検査の特徴
①すぐできます。
②検査後は、温かいタオルでゼリーを拭き取ります。
当院の超音波検査は、信頼性の高い検査です
当院の超音波検査は、日本超音波医学会認定の超音波検査士、またはそれを目指す技師が検査を行っています。皆様に安心して検査を受けていただけるよう、研修制度を導入し、確実な検査を提供できるよう心掛けています。
心エコー
心不全の原因となる心臓弁膜症、心筋症、心臓の動き具合、血液の流れがわかります。心房細動という高齢者に一番多い不整脈では、梗塞の原因となる血栓を見つけることができます。火曜日・金曜日(女性医師)・水曜日に循環器専門医による診療をしています。
こんな人は心エコー検査を受けましょう
- 高血圧、肥満の患者さん(心臓が頑張っています)。
- 息切れやむくみのある人(心不全の可能性があります)。
- 動悸のある人(心臓が頑張っています)。
- 検診などで心雑音があると言われた人(弁膜症の可能性があります)。
- 動脈硬化が強いといわれた人
頸動脈エコー
脳に血液を送る血管を見ます。首のところにあるドキドキしているのが頚動脈です。
脳に行くのは内頚動脈です。
首にプローベをあてるだけの検査です。
動脈硬化により動脈の内部にプラーク(粥腫(じゅくしゅ))と呼ばれるカスやかさぶたができます。
これが破裂すると、断片が脳に飛び散り、脳梗塞を起こします。
右の図は頸動脈を超音波で見た模式図です。
1 高輝度プラーク:プラークの濃さが周りの組織より高いもの
2 等輝度プラーク:プラークの濃さが周りの組織と同じもの
3 低輝度プラーク:プラークが濃さが周りの組織より低いもの
プラークの色(輝度)が周りの組織より①高いものや、②同じもの はちぎれて脳へ流れて行きにくいのですが、③濃度の低いものは、柔らかくちぎれて脳に流れて行きやすく、脳梗塞になりやすいといわれています。超音波検査では、この濃度の違いがよくわかるので、危険なプラークを見つけられます。
監修早期動脈硬化研究会『臨床のための頸動脈エコー測定法』山崎義光他より
こんな人は頸動脈エコー検査を受けましょう
- 糖尿病、高血圧、高脂血症、高コレステロール血症などの生活習慣病のある人
- 脳卒中の既往のある人
- 意識が突然なくなる人
- めまいがする人
下肢動脈エコー
動脈硬化で、足の血管が狭くなる病気を閉塞性動脈硬化症と言います。症状は歩いていると足のふくらはぎが痛くなり、しばらく休むと楽になって、また歩けるようになります。足にプローベをあてて、下肢の動脈を調べます。
足の血管が詰まりかけているということは体の他の部分の血管も詰まりかけているということです。心臓を取り巻く血管(冠動脈)が詰まれば、狭心症、心筋梗塞に、脳に行く血管が詰まれば脳梗塞になってしまします。
こんな人は下肢動脈エコーを受けましょう
- 歩いていてふくらはぎが痛くなる人
- 足先が冷たくなる人
- 足の指の色が紫色になる人
下肢静脈エコー
ふくらはぎの静脈がこぶのようになる病気を静脈瘤と言います。足の静脈の弁の不具合で起きます。エコーで静脈の流れを見ます。また、足をあまり動かさない人には、足の静脈に血栓ができることがあります。血栓が流れ出して、心臓を通り肺の血管に詰まると肺血栓症という命にかかわる病気になります。飛行機のエコノミークラス症候群がこれにあたります。
(図は重松宏『下肢動静脈エコー実践テキスト』より)
★むくみの改善や、下肢静脈瘤予防には弾性ストッキングが有効な場合があります。
こんな人は頸動脈エコー検査を受けましょう
- 足の血管が浮き出て見える
- 足がむくむ、重だるい
- 足が黒ずんできた
- 足がつることが多い
腹部エコー
おなかの内臓をみる検査です。肝臓、膵臓、腎臓、胆嚢、脾臓、膀胱、前立腺、子宮、卵巣、腹部大動脈などを検査します。お腹の痛い時にはすぐにみられる苦しくない検査です。それぞれの臓器の腫瘍(がん)の有無や、脂肪肝、肝炎、すい炎、胆のう炎、胆石、胆のうポリープ、腎結石などがわかります。検診で、肝臓が悪いと言われたときはこの検査がお勧めです。
こんな人は腹部エコー検査を受けましょう
- 肝機能異常があるといわれた人
- 内臓が気になる人
- 胆嚢ポリープ、胆石が以前にあるといわれた人
- 夜間トイレの回数が多く、前立腺が気になる人
甲状腺エコー
甲状腺は、首のところにあるホルモンを出す臓器ですが、女性では特に甲状腺の病気が多く、腫瘍やのう腫が多く見られます。首にプローベをあてるだけで観察できます。
こんな人は甲状腺エコー検査を受けましょう
- 甲状腺が腫れている人、バセドー氏病、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症の人。
その他エコー
腎動脈エコー、体表エコー、リンパ節エコーも行っています。気になる方は、医師までご相談ください。