糖尿病の治療について
糖尿病の治療では、血糖値の適切なコントロールが不可欠であり、実際に行うのは、食事療法、運動療法、薬物療法です。
食事療法
糖尿病といわれると、極端にカロリー制限をする人がいますが、糖尿病でも健常人と同じ必要なカロリー数があります。普通の人と同じカロリーを摂取できるのです。普通の人でも、カオリーを考えずに、がばがば食べればデブになります。普通の人と同じような健康的な食事をすればよいのです。
ただし、なにも気にせず食べていた人は、血糖値のコントロールを適切に行うためには、食べる量や食べ方を見直しましょう。
バランスの取れたメニュー構成で1日3食を規則的にとり、夕食は早めにすませる、量を控え目にする、間食・アルコール・ジュースなど糖類を含んだ飲物を控えるなどは一般的にもよく知られていると思います。
夏の暑いときに、汗をたくさんかくから、と、スポーツドリンクをたくさん飲む人がいますが、必要なのは、水分と塩分ですから、カロリーは余分で、太って、糖尿病のコントロールを悪くしてしまいます。
そのほかに、心がけると楽に食事制限ができるポイントがいくつかあります。
注意したいポイント
炭水化物が中心になったメニューを避ける
麺類だけ、丼物だけという食事はバランスが悪く、高血糖の原因になる炭水化物の量が多いため、急激な血糖値上昇をもたらします。
主食は後で食べる
主食よりおかずを先に食べると消化がゆっくりになって、血糖値の急激な上昇を防ぎます。
よく噛んでゆっくり食べる
急いで食べるとどうしても量を食べてしまうことにつながります。よく噛んで、時間をかけて食べると、それほど量が多くなくても満腹感が得られます。
3食をバランスよく
2食のカロリーを控える代わりに1食だけ高カロリーにしてしまうと、血糖値の上昇が急激に起こります。朝昼晩の3回にきちんとカロリーを分けて食べることは、おだやかな血糖を保つためにも重要です。
食品交換表からまんべんなく食べる
食事療法をはじめる際に渡される食品交換表を確認しながら、6つの分類すべてをまんべんなく食べるようにしましょう。余計な脂質をとるのはいけませんが、油脂も適切な量をとる必要があります。偏らないように注意してください。
カロリーコントロールだけではない食事療法
血糖値の上昇がゆるやかな低GI食品中心の食事療法
血糖値の上がり方を数値化したグリセミック指数(GI)を使用し、低GI食品を中心としたメニューを組む食事療法です。低GI食品は血糖値の上昇と下降がゆるやかですから、空腹を感じにくいとされています。
運動療法
糖尿病を悪化させる因子である肥満解消だけでなく、血液に含まれるブドウ糖をエネルギーに変えて消費するため、運動は糖尿病治療に効果的な療法です。
運動には有酸素運動と無酸素運動があります。このうち、糖尿病治療で有効なのは有酸素運動です。
具体的には、キビキビ歩く程度のウォーキングや水泳、サイクリング、体操、エアロビクス、ヨガなどで、無理のない運動を15分以上続けることが重要です。血液に含まれるブドウ糖がエネルギーとして消費されはじめて血糖値が低下していき、体にたくわえられた脂肪を消費しはじめるまでに15分かかるので、軽い運動を最低15分以上行う必要があります。
注意したいポイント
短く中断せず、15分以上続けましょう
15分の間に運動を中断してしまうと効果がないため、ウォーキングであれば30分を目安にしてください。
継続して行いましょう
今日は30分のウォーキングを2回やって次の日は休みといったことをせず、毎日継続して有酸素運動をしましょう。
激しくなく、楽でもない内容を
疲労困憊するような激しい運動は効果がありません。また、全く息切れしないほど楽に行える運動も効果が見込めません。ちょっとゼイゼイするけれど、話すことはできる程度が望ましいとされています。
薬物療法
内服薬とGLP-1受容体作動薬・インスリンなどの注射薬による治療があります。薬を始めたんだから、もう、食事療法や運動療法はしなくていいんだというのではなく、食事療法と運動療法をしっかりしたうえで薬を使用しないと、体重増加をきたしたり、かえって糖尿病を悪化させてしまうこともあります。薬物療法については別のサイトで説明します。インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げることができる物質です。糖尿病は、このインスリンの働きが悪くなったり、分泌に障害が起こることで発症します。
インスリン療法では、インスリンを補うことで血糖値を下げる療法です。1型糖尿病では不可欠の治療であり、2型糖尿病でも症状や状態などにより行われる場合があります。
費用の目安
糖尿病治療では、どういった内容の治療を受けているかにより、費用にも幅があります。そこで、いくつかのケースで目安となる費用をご紹介します。
基本となる食事・運動療法のみ
再診料、特定疾患療養管理料、生活習慣病指導管理料、採血などの検査料などを含め、3割負担の場合、1ヶ月に2,500円程度です。
薬物療法が加わる場合
基本となる食事・運動療法のみの費用に加え、調剤料や処方箋料がかかります。合わせると3割負担の場合、1ヶ月に3,000円程度です。他に院外処方のお薬代金がかかります。
インスリン治療が加わる場合
食事・運動療法、薬物療法にインスリン治療が加わった場合、在宅自己注射指導管理料、血糖値の測定を行っている場合は血糖値測定の指導管理加算が加わります。
合わせると3割負担の場合、1ヶ月に8,000円程度です。
また、他にも会計時に算定されるものがありますので、ご紹介した費用はあくまでも目安としてご参考にしてください。もちろん糖尿病以外に病気のある方は、費用がかなり変わってきます。
原クリニックで治療を受けるメリット
- 原クリニックでは、血糖とHbA1cがすぐわかり、治療に反映しています。
- 合併症の予防のための、眼底カメラ、動脈硬化検査(脈派検査CAVI+ABI)、超音波検査士による頸動脈・下肢動脈、心臓の超音波検査も小回りが利き、すぐ検査ができます。待ち時間の短縮に心がけて、予約できる場合にはほとんどの場合、すぐに診察できるよう努力しています。
- 月曜日から日曜日まで毎日8:30から17:30まで診療を行っており、会社や学校などを休まずに診療を受けられます。
- 電子カルテと検査データ・報告書が連動しており、毎回、検査結果をプリントアウトして、患者さんにお渡ししています。これらの検査データは初診から蓄積していきますから、少し変化があっただけで気付きやすく、そうした変化に基づいてより正確な診療が可能になります。
- ライフスタイルや好みなどについても医師の知識や理解が深まるため、よりストレスのない治療を受けられます。
- 合併症の早期発見に努め、合併症が発症した場合には近隣の病院に速やかに紹介しています。