糖尿病
糖尿病をどんな病気だと思っていますか?
好きなものを食べられない病気。
治らない病気。
心臓や脳卒中などの合併症がたくさん起きる病気。
いや~な、苦しいイメージですか?
辛くて大変な病気でしょうか?
糖尿病は健康的な食事、好きなものを上手に食べれば普通に生活できる病気なのです。 おじさん、おばさんになってくるとみんな中年太りが気になりますよね?
糖尿病でなくてもカロリーを考えて食事をしなければなりません。
糖尿病じゃなくてもみんな同じですね。
「おとうさんは糖尿病だから、こっちのご飯」と言われて別な寂しいご飯になるわけではありません。食べていけないものはないのです。
ご家族で同じ健康的な食事をすればよいのです。
運動療法は運動してカロリーを消費しようというより、しっかりした体を作るためにウォーキングなどをして下さい。
糖尿病の診断
健康診断で「糖尿病の疑いあり。」とされたら、、、
まず、健康診断は、通常、病院やクリニックで使われている検査の基準値より、厳しい診断基準で判定されています。HbA1cでいうと、5.6%以上は注意として引っかかってきます。
糖尿病の診断基準は、
- 空腹時血糖126(mg/dl)以上
- 75gブドウ糖負荷試験2時間後の血糖200以上
- 随時血糖200以上
- ヘモグロビンA1c(HbA1c)6.5%以上
となっています。
なぜ糖尿病の治療をしないといけないの?
糖尿病には恐ろしい合併症がたくさんあります。
3大合併症と言われるのが
- 糖尿病性網膜症・・・失明の危険があります。レーザー治療が有効です。
- 糖尿病性腎症・・・進行すると腎不全となります。人工腎臓、血液透析をしなければなりません。
- 糖尿病性末梢神経障害・・・手足のしびれ、痛み、腸の神経がやられれば頑固な便秘になります。
さらに心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、閉塞性動脈硬化症などの血管の病気が、糖尿病を持たない人に比べ多く見られます。これらの病気は糖尿病をしっかりコントロールすることで予防できます。
原クリニックでは糖尿病の治療に力を入れています。
水曜日と木曜日に糖尿病専門医による診察を行っています。
血糖とヘモグロビンA1c(HbA1c)(または、グリコヘモグロビン)
糖尿病というと気になるのは血糖ですね。でも血糖は、食事の時間や食べたものによって変動します。そこで糖尿病の病状を評価するのに『血糖の平均値』と呼ばれるヘモグロビンA1c(エーワンシー)(HbA1c)(またはグリコヘモグロビンといいます)を測定します。過去1~2カ月間の血糖の平均的な高さを表わします。正常値は6.2%以下です。高いほどコントロールが悪いといえます。 合併症が起きないように目標にするのは7.0%以下です。
ヘモグロビンA1c(エーワンシー)(グリコヘモグロビン)ってなに?
~血糖の平均値と言われるわけ
赤血球の中にあって体内に酸素を運ぶ物質がヘモグロビンです。このヘモグロビンが血液の中のエネルギー源ブドウ糖(血糖)と結合したものがヘモグロビンA1c(HbA1c)(グリコヘモグロビン)です。ヘモグロビンのなかの割合で表すので%(パーセント)という単位がついています。血糖がいつも高いとHbA1cの割合が増加するので糖尿病の状態がわかります。赤血球の寿命は4ヶ月ですから、赤血球の半分が2ヶ月で入れ替わります。つまりHbA1cは過去1~2ヶ月の血糖の状態を反映するので血糖の平均値と呼ばれるのです。前の日に宴会をしても、朝ごはんを食べてきても急にHbA1cが悪くなることはありません。土曜日に来院する患者さんで普段きちんと生活していれば、前日、宴会があって飲みすぎていても大丈夫です。逆に前の日だけ良い子にしていてもバレてしまいます。
※原クリニックでは、糖尿病のお薬を飲んでいる方には採血をする時でもいつもどおりに食事をして、薬を飲んできて頂いています。薬の中には長時間作用が持続する薬もありますから低血糖症状を避けるためです。慣れてくれば、今日は空腹時血糖はどのくらいかな、と考えて、食事をとらないで、薬を飲まずに、来院し、受診後に、食事と薬を飲むようにしたりするのも良いでしょう。
原クリニックでは精度の高い、高速液体クロマトグラフィー法(HPLC 法)を原理とした機械で、A1c を測定しています。30秒で結果が出ます。
他の血液検査
コレステロールや中性脂肪、尿酸などの生活習慣病で問題になる検査も一緒にします。 肝機能、腎機能、貧血検査なども定期的に行います。
合併症
糖尿病は血管が傷つく病気です。
小さな血管が傷むと糖尿病性網膜症、腎臓病、末梢神経障害によるしびれや痛みがおこります。
原クリニックでは、糖尿病性網膜症の検査のために眼底カメラの検査を実施しています。その場で写真を撮り、眼科専門医にインターネットで送って、診断をしてもらっています。車で来院しても可能です。
大きな血管が傷むと脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などの病気になりやすくなります。
原クリニックでは簡単にできる痛くない動脈硬化の検査として脈派検査(CAVI)、血管、心臓超音波検査を行っています。
糖尿病には2つのタイプがあります。
1型糖尿病
インスリンをつくっているすい臓のβ細胞が壊れてしまい、自分でインスリンをつくれなくなってしまったり、ごくわずかしか作れなくなってしまったため、インスリン注射が絶対的に必要なタイプです。
子どもの糖尿病の多くは1型糖尿病ですが、最近では、あらゆる年齢層に見られます。突然発症する傾向があります。
2型糖尿病
すい臓がつくるインスリンの量が少なかったり、インスリンの働きが悪いために発症するタイプです。日本人の成人の糖尿病の約95%がこのタイプです。
治療法
食事療法
糖尿病の人はカロリー制限がある。
粗末でまずいものしか食べられない、と思っていませんか?
糖尿病の人も1日の必要なカロリーがあるのです。肉体労働の人、デスクワークの人、太った人、痩せた人も標準体重と運動量から簡単に計算ができます。
標準体重は(身長m)×(身長m)×22
で計算できます。
例えば170cmの人では
1.70×1.70×22=63.58(kg)
です。
この体重に、肉体労働の人は40、デスクワークの人は30を掛けて それぞれ、2,543.2kcal、1,900kcalといった具合です。
このカロリーを守っていれば、だんだん標準体重に近づいて来ます。
過度の食事制限は必要ないのです。
運動療法
エネルギーを消費するだけではありません。
運動でエネルギーを消費するのは大変です。減量はやはり、カロリーコントロールです。
運動でしっかりした体を作って下さい。筋肉がエネルギーを消費するのです。
内服治療
インスリンを分泌させる薬やインスリンの效果を高める薬があります。
人によって效果の出方が違うので、薬は少しずつ調整して行きます。いろいろな薬があるので、諦めずにやって行きましょう。
インスリン注射
「痛い」「そんなに重症なんだ?」というイメージがありますね?
痛くない針があります!
下町の社員6名の町工場のおやじさん、岡野雅行社長が「誰もできないなら、俺がやる!」と針の開発を志してから5年の歳月を要し、革新的な技術で、インスリン用注射針で世界で初めて33G(0.2ミリ)の針を完成させました。「ナノパス33」という針です。
http://www.business-plus.net/special/1006/142001.shtml
左より予防接種などに使われる27G(0.4ミリ)、一般的に使われているインスリン用注射針31G(0.25ミリ)、「ナノパス33」33G(0.2ミリ) (針の数字は大きくなるほど細くなります)。
針の先端のカットを非対称にすることで穿刺時の痛みを軽減させました。極細ながらも薬剤の注入しやすさと耐久性があり、世界最細の直径0.18mm(34G)の針なのです。
インスリンはすい臓から分泌されていますが、すい臓が一時的に弱っていることがあります。
インスリン注射を早めに導入すると、糖尿病のコントロールが良くなり、疲れたすい臓が元気になって、後でインスリンを打たなくなることもよくあります。
なによりも血糖が安定すると体が楽になりますし、糖尿病が良いコントロールになれば、合併症が予防でき、快適な生活が続けられます。 わからないこと、心配なことがあったら、お気軽にスタッフにお声をかけて下さい。
痛みの少ない自己血糖測定器
インスリン注射をするときには、原則として、毎日、自己血糖を測定します。1日1~2回、行うのが一般的ですが、いくら細い針とは言え、つらいものです。 原クリニックでは、33G穿刺針を使っていますから、痛みがずっと少なくて済みます。
糖尿病治療は普通の人と同じ生活をして血糖が高い状態に対して適切な薬を使って行くことなのです。
生活習慣病という言葉を知っていますか? 糖尿病、高血圧、高脂血症、高コレステロール血症、高尿酸血症などの病気です。 以前は成人病と呼ばれていましたが、年をとると必ずなるわけではなく生活習慣をきちんとすれば予防できる病気なのでこう呼ばれるようになりました。
美味しい物を食べて、気持ちよく運動し、毎日、楽しく過ごしましょう!