ABC検査(胃がんリスク検査)ピロリ菌の話です
ピロリ菌の話です
ピロリ菌が胃にいると、胃がんになりやすくなります。退治をした人も胃がんのリスクは残ります。
2021年4月1日からピロリ菌の検査方法がラテックス凝集比濁法に変わりました。10.0U/ml以下が陰性となります。
2017年4月1日にはABC検査の判定基準が変わりました。検査方法・検査の時期・判定基準がはっきりしない「陰性」としか書いていないものは再検査が必要な場合があります。検査時期や抗体値が書いてあるものはその数値で判断できることがあります。
胃の中にピロリ菌がいる人がいます。ピロリ菌は、胃の粘膜を傷つけます。胃が痛んだ状態が続くと、胃の粘膜は萎縮し、萎縮性胃炎という状態になります。これを最近ではヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と呼び、胃がんの原因となるといわれています。ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎では10年間で2.9%の人が胃がんになったという報告があります(図1)。
※萎縮性胃炎と慢性胃炎は同じ病気です。
血液で、ピロリ菌の抗体と胃の萎縮度を調べるペプシノゲン検査を合わせて行うことにより、胃がんの危険度(リスクの高さ)を知ることができます。この検査をABC健診と呼んでいます。この検査は、がんを発見する検査ではありませんが、胃がんの危険度(リスクの高さ)を知ることができ、それによって精密検査やピロリ菌の除菌の必要性がわかります。
綾瀬市では、市の健康診断の時に、胃がんになりやすい人を見つけるABC健診を行っています。
対象者 | 市内在住の40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳の年度の方 (市より通達が送られてきます) |
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実施期間 |
令和3年6月1日~令和4年3月31日 |
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自己負担額 | 1,600円 ※上記の年齢の方以外は自費 3,000円で受けられます |
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生活保護受給者の方 (事前に保健医療センターに連絡してください) 市民税非課税の方 (事前に保健医療センターに連絡してください) |
0円 |
原クリニックでは、綾瀬市より通達がきていない方でも、
胃がんリスク検診を受けられます。
綾瀬市より通達がきていない方、、、
綾瀬市以外にお住まいの方、、、
ピロリ菌検査(ABC健診) 3,000円
診断は、「ピロリ菌感染の有無」と「血中ペプシノゲン値(胃粘膜萎縮の程度)」の2つの結果から、4つのタイプにわけられます。A群からD群の順に、胃がんリスクが高くなります。
A群
ピロリ菌マイナス、血中ペプシノゲン値マイナス。
健康な胃粘膜です。
除菌不要。胃がんの危険性は低い(年間発生頻度ほぼ0)。
B群
ピロリ菌プラス、血中ペプシノゲン値マイナス。
胃粘膜の萎縮はないが、胃潰瘍に注意。
除菌必要、精密検査必要。胃がんの危険性はやや高い(年間発生頻度1000人に1人)。
C群
ピロリ菌プラス、血中ペプシノゲン値プラス。
胃粘膜の萎縮が進んでいて、慢性萎縮性胃炎の状態
除菌必要、精密検査必要。胃がんの危険性が高い(年間発生頻度400人に1人)。
D群
ピロリ菌マイナス、血中ペプシノゲン値プラス。
ピロリ菌が住めないほど、胃粘膜萎縮が進んでいる。
精密検査必要。胃がんの可能性がきわめて高い(80人に1人)。
認定NPO法人 日本胃がん予知・診断・治療研究機構のホームページより
2021年4月1日からピロリ菌抗体値の検査方法が変わり、10U/ml未満が陰性となりました。検査時期が2021年3月31日以前の方は再検査が必要な場合があります。
ピロリ菌抗体検査やペプシノゲン検査は、あくまで「胃の健康度」を確かめるために行うもので、「がんを見つける」検査ではありません。